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俺のヴェルディ vol.01|どこかにいる。

「俺のヴェルディ」記念すべき第一回は、あとむさんです!
娘さんのハナちゃんにもご一緒してもらい、お話を伺った。

はじまりはカズ

―「SAY! WE! TOKYO!(以下、セイウィ)」で、あとむさんがヴェルディサポーターになったきっかけを拝見しました。初めて現地で観たJリーグの試合は、千葉だったとか…?

あとむ「もともと、カズ(三浦知良選手)が好きだったんですよね。小学校6年生のときにJリーグが開幕して、クラスでも盛り上がってました。Jリーグのチーム名全部言える?みたいな。クラス中がそんな感じでした。

サッカーは、兄の影響で見ていました。地元が千葉だから、兄はジェフ千葉を応援しているけど、私はというと…カズが出てきて。かっこいい!ってなって、ヴェルディを応援するようになりました。
現地デビューは、高校生のとき。兄に連れて行ってもらった、市原臨海競技場でのジェフと柏レイソルの試合が初めてでした。

高校生のときは、ジェフが中心。読売新聞で、ヴェルディの招待券がもらえたから、たまにヴェルディの試合にも行っていました」

遠距離デートはヴェルディで

大学生になると、神奈川へ移ったあとむさん。
当時は、等々力がヴェルディのホームスタジアムだったことから、ヴェルディの試合にも通い始めたそう。

―その時は、どなたと観に行かれていたんですか?

あとむ「大学の同級生(今の旦那さん)とでしたね。彼は静岡出身だし、サッカーが好きで。だから、ヴェルディの試合を観に行ったらハマるかな?と誘ったら、まんまとハマって。
彼の家から近いチームは清水エスパルスだったけど、あまり好きではなかったみたい。もともと、Jリーグをしっかり見ていなかったのですが、サッカーをやっていたし、私と観に行っているうちにヴェルディを好きになってくれましたね。以来、一緒に行くようになりました。

大学では、シーチケ(シーズンチケット)も買っていました。2年生ぐらいのときかな、ヴェルディが東京に移転して。でもその時は、移転の話は全然知らず、ヴェルディの歴史を知ってるわけでもなかったので、なんとなく『変わったんだー』程度の印象でした。
FC東京との因縁とかは、あとから知った感じで。ただヴェルディが好きだから、応援していました。

大学を卒業したら、旦那は静岡、私は千葉に戻ったんですよ。静岡と千葉で遠距離。1年半ぐらいかな。…(ハナちゃんに)知らないよね?(笑)
遠距離で付き合って2年くらいで結婚をして、静岡に引っ越しました。だから、遠距離中はヴェルディで会ってた!
デートはヴェルディですよ。スタジアムが、静岡と千葉の真ん中くらいだから、スタジアムで会って、応援したらバイバイ!みたいな」

「何それ、やばい!めっちゃ素敵なんだけど!!」と、筆者は一人興奮してうるさくなりました。

J2と子育て

―今は静岡に住まれていて、ハナちゃんももう大きくなられてますけど、子育て中はサポーターとの両立も大変だったのでは。

あとむ「子どもは、長女(ハナちゃん)と弟が二人(中学3年生と小学校6年生)います。結婚して、夫婦2人のときはシーチケも買って二人で通っていましたが、子どもが生まれたらしばらく行けないじゃないですか。

ハナが生まれる年に、ヴェルディがJ2に落ちたんですよ、2008年。2回目に落ちた年だね。もうここから先が長い…沼のときに生まれて(笑)
ヴェルディはしばらくJ2だったけど、それでも観に行っていたんだよね。ハナも連れて行って。当時はスタジアムもとにかくガラガラだったから、ヴェルディ君もゴール裏に来てくれました」

―写真で見たことがある光景!すごく羨ましいです。

あとむ「ヴェルディ君が試合中に来て、一緒に応援するみたいな。だから、ハナはヴェルディ君のことはとても好き。でも、サッカーは見ずで、コンコースで遊んでいましたね。

その後、弟が生まれてからも、毎年試合には行こうとしていました。ただ、弟2人がサッカーを始めたんですよ。そうすると、そっちが中心になって優先順位が変わって…今みたいに、何がなんでも行こうとはしてませんでしたね。
全く行かなくなったのはコロナのときだけですかね。当時はハナが反抗期で、サッカー嫌い!ってなって」

ここから、ハナちゃんが会話に入ってくれます。彼女が中3の受験生だった頃のことです。

国立で、また家族がつながる

ハナ「もともと私は陸上をやっていて、スタジアムにはたくさん行っていたから、国立競技場に興味があって、それを目当てに行きました。家族5人で、プレーオフに」

―家族みんなで観に行った試合がプレーオフだなんて…運命みたい。当時、ヴェルディが昇格するかもしれないという予感はしましたか?

あとむ「今までは、ヴェルディは開幕こそ調子良いんだけど、どんどん下がっていくな〜みたいな、毎年そんな感じだったんだけど。
2022年の終わりくらいから、ヴェルディのクリーンシートが続いて、どこかで『いけるかも』と思っていたのかもしれない。

翌年の2023年は、なぜか全部試合を追っていて。小6の弟が、当時一番興味を持ち始めたんですよね。それで、私もインスタのストーリーに全部、見に行っていない試合も結果を載せていたんです。そしたら、その年にプレーオフに進んで…もう1週間前ぐらいからドキドキしちゃうよね。
ハナは全然何もわからず、スタジアムを見たい!って言うから、一緒に行ったらまぁ、あの劇的な勝利だから!」

そして、晴れてJ1昇格を決めたヴェルディ。
あとむさんたちは、もちろん開幕戦も行こう!と決めた。

ハナ「プレーオフと開幕戦の間に、卒業祝いでカメラを買ってもらったんです」

あとむ「欲しい欲しいとずっとねだられていて、さすがに高いから無理と言っていたんだけど、卒業祝いと誕生日祝いと全部合わせて買ってやるよ!って買って」

―そしたら、今ではあんなにも素晴らしい写真を撮るまでに…

あとむ「彼女が小さい頃は、ヴェルディサポになってくれるといいなぁと思って連れて行ってたんですが、思春期にむしろサッカー自体を嫌いになっていたので、まあ押し付けることでもないし…と諦めてはいました。

私が、長男にかまいすぎていた時期があって。ハナに寂しい思いをさせていたのを気付かずにいたので、なるべく行きたいっていうところは連れて行ってあげようと思ったタイミングで、カメラが欲しい!国立競技場見てみたい!ってなったので、よしよしとは思いましたが、こんなにハマるとは…

何もかも、タイミングがよかった!最初に好きになった選手が森田っていうのも、大きいかもですね。

私自身、過去一ヴェルディにハマっているのは、娘の影響がだいぶ大きい気がします。遠征するようになったのは、完全にハナの存在が大きいですね」

一方で、ハナちゃん自身はというと、ヴェルディは幼い頃から彼女にとって当たり前の存在で、これまで特別意識はしていなかった。

幼い頃のハナちゃん

でも、改めて向きあって応援をするようになり、その魅力を知っていくうちに、気づけば生きがいになっていたそうで。

親から子へ、子から親へ。
ヴェルディは、一方通行ではなく、お互いをつないでいた。

プレーオフがターニングポイントとなり、どんどん家族の中でのヴェルディの存在は大きくなっていった。週末の会話は、ほぼヴェルディ。家の中の「ヴェルディスペース」も、どんどん広がっているんだとか。
「ヴェルディの試合日程から、予定を決めていってる状態」に共感する人も、多いのではないだろうか。

あとむ「サッカー観戦自体にハマらなかった長男も、学校の美術の授業でリヴェルンのグッズを作ったり、ヴェルディのロゴで盾を作ったりしているので、家族の影響はだいぶ受けていますね」

そんなふうにヴェルディが生活の中心になってきたご家族でも、ハナちゃんが行きたがらない日はあったそうで…

あとむ「ハナが『(2025年の)岡山戦で0-1で負けたらもう試合を観に行かない!』って言って。そしたら 4点取って!あれ〜?取ったけど?みたいな(笑)そんな試合もあったよね」

2025アウェイ広島戦

静岡からどこまでも

そんなあとむさんが、またヴェルディの試合を観に行きたいと特に強く思うようになったのは、ヴェルディがJ1に復帰してから。長く対戦していなかった相手と試合ができるというのが、嬉しかったのだそう。

―2024年、J1に昇格した最初の年のヴェルディは、とにかく楽しかったですよね。

あとむ「楽しかった~!今までは、アウェーもあまり行っていなかったんですよ。(静岡から比較的近い)甲府や藤枝へは行っていて。どのスタジアムに行きたい?ってハナに聞いたら、大阪。パナスタ(パナソニックスタジアム吹田)ですよ!パナスタなんか全っ然行く気なかったのに。最初は、大阪なんて無理だろうと思っていました。でも、一度行ってみたら『意外と行ける』って(笑)
毎回高速を使っていたら、さすがにお金が持たないなと。初めて下道で行ったのは、柏かな。今でも行きますよ」

―柏までは、下道でどれぐらいかかるんですか…?(どきどき)

あとむ「6時間(笑)」

―6時間!

あとむ「かな。千葉だと 6時間ぐらい。静岡から、大阪と千葉って同じぐらいなんですよ、意外と。しかも、関西は関東よりも道の駅がたくさんあるから止まるところが多くて。アウェーはけっこう行ってたな」

―首都圏の外に住んでいるヴェルディサポーターは、素直にすごいと思っています。メンタルというか、体力もだけど…

あとむ「電車よりも、車の方が楽ですよ!田舎だからかな(笑)昔は、首都高を走るのも怖かったけど、もう今は全然、狭い道でもガンガン行く。渋滞が嫌いだから、夜中に移動しています」

―でも、家事や仕事もあるじゃないですか。ちょっとしんどいわ、今日!みたいになることはないんですか?

ハナ「私はなるけど、こっち(あとむさんを指差し)が強い。体力オバケ(笑)」
あとむ「そうかも!(笑)ヴェルディに行けるからいいや!みたいな。あとはやっぱり、専スタが好きで。近くで見れるからね」

ちなみに、一番良かったと思った遠征試合は、まさにパナスタ、アウェイガンバ大阪戦。

あとむ「そうそう、森田が同点ゴールを決めた試合!あれは泣いた!横で(ハナちゃんが)号泣してて、やばい!ってもらい泣きしちゃった。アディショナルに、同点ゴール決め。最終節の京都も楽しかったね。

2024アウェイガンバ大阪戦

あとは、J1に上がった2024年からが、やっぱり一番今までと違う応援の仕方をして、他のサポーターと関わるってことをするようになったのが、すごくびっくりしてるかな」

―あとむさんもでしたか。私の周りのサポーターも、そういう人は多い気がしています。

あとむ「Xを始めたのも、大きいかもしれない。『セイウィ』も!24シーズン最終節のアウェイ京都サンガ戦に参加して、そこで知り合いができて。遠くに住んでいても関わることはできるんだなって思ったから、ちょっとずつ自分から声かけていくようになったかな。Xの雰囲気を見て、この人ならいけそう!みたいな。まーこさんもロックオンね(笑)」

―ありがとうございます!(笑)あとむさんは、私に一番最初に話しかけてくれたサポーターなんですよ。何のときだろう…グッズとかかな?きっかけは覚えていないんですけど。本当に、貴重なお友達ができた!みたいな感覚でした。

あとむ「あと、ぴよじさんもね(インタビュー中、すれ違って声をかけてくれました)。野津田に行ったら、隣にカメラを構えている人がいて、話しかけたの。そしたら、ぴよじさんってあの有名な!?みたいな」

どこに住んでいても「ヴェルディのサポーター」という共通点でつながれる。その楽しさを、あとむさんは特に味わったシーズンだったのだろう。

俺のヴェルディ

―今日(百年構想リーグ最終節)は、ご家族はお二人のほかにどなたかいらっしゃいますか?

あとむ「今日は、旦那が弟の試合に付き添っていて、来ていません。今は、夫婦で最初から予定を分けながら通っています」

―そうか、家族ができるとそういう通い方もありますね。

あとむ「そう。だから、見に行けなくなるときって、絶対あると思うんですよ。特に子どもができたとき。赤ちゃんのときはいいかもしれないけど、小学校に入って部活とかが始まって、ついて行かなきゃいけなくなると…なかなかね」

―いつかその…物理的に見られなくなるもそうだし、自分の気持ちがヴェルディから離れるかもしれないとか、思ったことはありますか。

あとむ「うーん、気持ちがというか、私はもう本当に、子どもの頃からずっとヴェルディが『どこかにいた』みたいな感覚です。今は(生活の)中心になっているけど、優先順位的にはすごく下のときもあったし。もう、またJ2かよ!みたいな、また同じような試合してるよ!っていうのが続いていたときは、なんで見に来ているんだろう…って思うときもあったから」

―それでも、観に来てはいたんですね。

あとむ「シーチケを買っちゃったから、もったいないと思って来ていたけど、この試合を見るために車で高速使って!?みたいな。そういう時期もあったし。だから、気持ちが離れてく時はあるかもしれないけど。

でも、私の場合はね。どっかにいる。ずっとどこかにいる。緑のものを身につけてる。
私といえば緑!って言われてました。ハナにも、緑の洋服ばっかり買ってました。

他のチームを、プラスで応援することはあるかもしれないけど、変わることは絶対ないと思う。っていうのは言えるかな」

―きっと、ヴェルディサポーターは、そういう人の集まりなんだろうなと感じてます。特にヴェルディは、J2にいたときにもずっと通い続けてる人たちがいて。うまく言えないけど、ただただすごいなと思います。去年の、全然点が取れなかった試合なんて、きっとヘでもないんだろうなと思って…私はすごい嫌だったけど(笑)

あとむ「私も嫌だったけど、だけどなんか1点の重みがある!って無理やり思い込んでました(笑)」

―そんなあとむさんにとっての「俺のヴェルディ」とは?

あとむ「それこそ、さっき言ったやつだよね。どこかにいる。みたいな。本当に、中心になるか端っこにいるかはわからないけど、でも自分の中のどこかにいる存在みたいな感じかな」

生活の中心にある日も、少し離れている日も。
ヴェルディはずっと、あとむさんの「どこかにいる」。

コラム①推しの理由は出席番号

われらがキャプテン、森田晃樹を推しているハナちゃん。
そういえば、ハナちゃんが森田を好きになったきっかけとは?気づいたら好きになっていた、みたいな…?

ハナ「プレーオフで(森田が)めっちゃ泣いてて。それを見て、インスタとかを調べてました。森田しか知らなかったです、一番目立ってたから」

あとむ「そうね。あ、でもあれだよね。小学校のときに…」

ハナ「あぁ(笑)一番最初の推しは、林陵平さんでした。理由は、出席番号が一緒だったから。だからガチャガチャとかも11番を狙ってたな」

あとむ「昔のものを漁っていたら、けっこう出てきたりね。林陵平ある!みたいな(笑)」

私も、最初に買ったヴェルディのユニフォームは染野だった。理由は、彼の背番号が9だったから。自分が9月生まれで、9という数字に愛着があった。選手の背番号を、自分の何かと紐づけてしまうのも、サポーターあるあるかもしれませんね。

コラム②ヴェルディサポーターっていいな

ハナちゃんが、後日思い出してくれたエピソードが、あまりにも素敵だったので紹介させてほしい。

彼女が、ヴェルディサポーターっていいなと思ったきっかけは、プレーオフの帰りのこと。
静岡に向かう途中のサービスエリアに寄るも、もちろん周りは清水エスパルスサポーターだらけ。

そんな中、一人のヴェルディサポーターが緑の服を着たハナちゃん・あとむさん一家に気づき、胸のエンブレムを拳で叩いてくれたんだとか。

言葉はなくても、その瞬間だけで「あの人もヴェルディなんだ」と伝わる。その感覚が、たまらなく好きだ。

今回インタビューを受けてくれた方

あとむさん(@asa153cm)

ハナちゃん(@8lgbg7)

緑の輪を広げよう!
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